より精度の高い測量を目指して

測量を実施した図面は、法務局の申請を通る必要がありますが、決してそれが最終目的ではありません。
依頼された方の信頼に応えるべく、対価に応じた納品を心がけております。
最低限の品質で作ったとしても、測量の技術も日進月歩で進化しつつあり、いずれは陳腐化します。
将来、世代が代わっても価値のある図面を作るため、高い精度にこだわります。

測量には誤差がつきものです。
一般に、誤差には次の3つがあるとされています。

  • 偶然誤差
    理想通りの測定を行うことができたとしても、毎回ランダムに発生する誤差があります。
    複数回測定を行い、その平均値をとることで、偶然誤差の影響を最小限に抑えることができます。
  • 系統誤差
    ある特定の原因によって測定値が偏る誤差のことです。
    例えば、
    -機械の精度が低いにもかかわらず、高い精度を求める
    -温度や湿度、気圧の影響
    -観測者のクセ(目盛りを多く読む、あるいは少なく読む)
    などです。
    系統誤差をなくすためには、測定方法の見直し、温度や湿度の影響の補正などで対処します。
  • 過失誤差
    観測者の経験不足、知識不足、不注意などから起きる誤差です。

これらの誤差を少しでも減らし、より真値に近づけるのが、内藤事務所の目指す測量です。
そのため、内藤事務所の測量は次のような特徴を持っております。

3級基準点の精度区分を目指した測量

基準点測量とは、「すでにある基準点」から「新しい基準点」を作成する作業のことですが、
基準点測量には1級~4級に区分されています。
基準点測量の詳細については、国土地理院のWebサイトを参照してください。

通常、公図を作成する場合は4級基準点測量で十分なのですが、
内藤事務所ではより精度の高い測量を目指すことから、3級基準点の精度区分を確保するように行っております。

2人体制による測量

内藤事務所では、土地家屋調査士と測量士による2人体制で測量を行っております。

近年、1人で測定を行う土地家屋調査士が増えておりますが、2人で測量すると作業効率性が向上するほか、トラブルや危険を予知することもできます。

それに何より、お互いの知識や経験を補完しあって、質の高い測量を行うことができます。
(そもそも1人で測量を行うのはテンションが上がりません)
幸いにも当事務所は、経験豊富な測量士をパートナーとすることができ、測量のあり方について毎日議論しながら切磋琢磨しております。

丁寧な測量とスピーディーな申請

内藤事務所の測量は、時間をかけてでも丁寧に行います。
それは3級基準点の精度区分で行うためだけではなく、基本動作を徹底し妥協をしない測量を行うからです。
よって、測量を含めた現地調査はしっかり時間をかけて行います。

その一方で、申請はスピーディーです。
事務所代表が行政機関出身ということもあり、行政側のニーズを把握することができるからです。
行政の窓口対応として、何をしてほしいかを明言しないことがあります。
それは、行政としてのミスリードを防止するためではあるのですが、
それが返って、申請者の方で何をすべきかわからなくなることがよくあります。

内藤事務所では、そういった行政側のニーズを把握することができるので、
行政が、申請内容に関して承認するまでの過程で必要な手続きに対するフォローが明確になります。
手続きの最中に書類に不備等が生じると、何週間も待たされることになりますが、
その間は申請者にとっては不毛な時間となります。
その時間を極力短くするための、経験と知恵が内藤事務所にはあります。

現地調査はより正確な情報を知るため、時間をかけて丁寧に。
申請はムダのないスピーディーな手続きを、
内藤事務所は心がけています。

GNSSによる測位

GNSS測位とは、衛星測位システムを使った測位のことであり、国土地理院のWebサイトには次のように記されています。

 衛星測位システムは、英語のGlobal Navigation Satellite Systemの頭文字から「GNSS」と表記されます。GNSS衛星には、QZSS(日本)、GPS(アメリカ)、GLONASS(ロシア)、Galileo(EU)等があります。
 日本のみちびきは、日本の上空に長く滞在する準天頂軌道の衛星が主体となって構成され、2018年11月から4機運用されています。 みちびきはアジア・オセアニア地域のみを対象とするためRNSS(Regional Navigation Satellite System)に含まれる場合もあります。

国土地理院Webサイト「GNSS測位とは」

公共座標と任意座標

一般によく知られているGPSもまた、GNSSの1つとなります。
地図データの座標には、大きく分けて公共座標任意座標とがあり、
GNSSによって求められた地図データの座標は公共座標に該当します。

公共座標

公共座標とは、国の管理する座標体系上の与点を原点とする座標です。
国の管理する座標体系は、平面直角座標系といい、日本全国に19の座標系を設けています。
この基準点は絶対的なものであり、目印が紛失したらわからなくなるというものではありません。
内藤事務所が活用しているのは、こちらの公共座標です。

任意座標

任意座標とは、測量者が任意に設定した座標です。これは仮座標になります。
現在の地積測量図(分筆図)は、任意座標系で測量してもOKとなっています。
しかし任意座標系を使った場合、測量者によって精度が異なり、球面補正や高度補正などの補正の概念がないため、
隣接地どうしが任意座標系を使っていた場合、境界線座標や境界線の精度が一致しないため、
整合が図れないなどの問題が生じます。
内藤事務所では、任意座標系による測量は一切行っておりません。

GNSS測位のメリット

GNSS測位のメリットは次のとおりです。

精度の高さ
  • GNSSを使った測位では、地球上での位置が決まりますから、GNSSで求めた境界点の座標は唯一無二の値といえます。
災害等への対応
  • 公共座標で図面が作成されていれば、災害等で既存基準点が広範囲において無くなっても、GNSSで境界が再現できます。

お客様へ~世界測地系の基準点設置を希望される方へ

自然災害などに見舞われても元来あった土地の境界(標)が復元できるよう世界測地系による基準点の設置をご検討されませんか。

基準点の設置希望場所が、次のような場所でも可能です。
1) 近辺に世界測地系の基準点が無いが、世界測地系で測量を実施したい方
2) 近辺に世界測地系の街区基準点はあるが、前後の基準点が亡失し取り付けできないなど(孤立基準点)のため、周辺の基準点を既知点として、新たに世界測地系の基準点の設置を必要とされている方。